畜産業は粟国島で主要な産業のひとつ、
出荷前の牛の削蹄作業を見学させていただきました。
牛小屋から削蹄用の鉄枠へ牛を移動させます。
声掛けだけではなかなか小屋から出てきてくれません。
1人は牛を前から引っ張り1人は後ろから追いたてます。2人がかりです。
他の牛が紛れて出てしまわないよう、柵のドアに注意しながら。
爪を削る足を持ち上げ、ロープで縛ります。
牛が嫌がったり、泥ですべったりとなかなか真っ直ぐに立ってくれない!!
後ろ足を折りたたんで、ずどんと座り込んでしまいました。
重たい牛のおしりを力ずくで持ち上げて立たせるため、大変な作業です。
後ろで見ていたら、牛は蹴ることもあるので後ろに立ってはいけないよ、危ないよ!
とのこと。ぼーっとしながら近寄ってはいけません。汗
放牧されている牛たちも、遠くからこちらの様子をじーっと伺っていたのが印象的でした。
すぐに終わるよ~と声をかけながら、一足ずつ爪を整えていきます。
写真は専用のナタを使って、裏面をカットしているところです。
牛の削蹄には専門の資格制度があり、資格を得るには講習と試験を受ける必要があります。
人に飼われることで運動量が少なくなった牛にとって、
牛の蹄は血液循環を促すポンプの役割を果たす重要な部分。
伸びすぎたり変形してしまうと、負重がかかりすぎて歩きにくくなったり
血液が廻らずに病気になってしまうこともあるそうです。
削蹄が終わると、牛もほっとひと安心の様子。
全身を水で流し、こびりついた汚れや泥をブラシでがりがりと落していきます。
毛並みもピカピカにきれいになって、作業の完了です!
数日後、港へ行くと、牛たちが乗せられたトラックを発見!!
先日削蹄を見学させていただいた牛たちが
フェリーに乗って出荷されるところでした。
私はブラシで汚れを落とす作業くらいしかできませんでしたが、
一度会った縁でなんだかさみしい気持ちに。
元気に売られていくんだよ~!と見送りました。
農家さんは牛たちに一頭ずつ名前を付けて育てられています。
愛情を込めて育てられた粟国島の牛たち、
島の経済を支える大切な動物たちです。