こんにちは!
今回は粟国島の「もちきび麺」(乾麺・生麺)のお話です。
私は現在、地域おこし協力隊として2年目。
主に特産品開発を担当しており、1年目の後半から現在にかけて、
島の特産である「もちきび」という穀物を粉砕して麺に練り込んだ
「もちきび麺」のプロデュースをしています。
具体的には、企画・製造手配・ラベルデザイン・印刷・貼り付け・
PR・受注・納品・商品管理などなど……。
最初の頃は試食会のほか、
カロリー検査や賞味期限検査(細菌検査)の手配も行いました。
なぜ「麺」なのか?
簡単に言うと、それは私が「麺好き」だからです。
そもそも私と粟国島との出会いは2013年秋。
沖縄好きの島マニアが初めて粟国島へ行く前に情報収集をして、
もちきびという存在は認識しました。
(※それまで知りませんでした)
ハッキリとは覚えていないのですが、
その来島時には店頭に並んでいなかったと思います。
あったとしても、初めて出会う食材、
1袋300gも使い切る自信はありません。その時はただ、
「もちきびってどういう感じなんだろう?」と思ったのみでした。
しかし、帰ってきてからもずっと粟国のことが頭から離れません。
「もっといろんな種類のおみやげがあったらいいのにな」
「もちきびを粉にして、麺に入れたら絶対おいしいだろうな」
「生麺も好きだからな~、生パスタみたいにできないかな」
と妄想を膨らませていました。
そして2016年春、晴れて粟国村地域おこし協力隊となりました。
やっと以前から温めていた「もちきび麺商品化計画」が進み出すのです。
移住する前から「離島の特産品」「オーダーメイドの麺」「小ロット製造」の
情報収集をしてきました。
そんな中、那覇に気になるお店があり、粟国島への面接時に寄ってみました。
すると店主が粟国にも詳しい方で、この方との縁が「乾麺」の誕生に繋がるのです。
その後、生麺計画も進んでいくのですが、そこはやはり沖縄の離島ゆえ、
「高温多湿」「人口約700人」「年間の観光客数も少なめ…」ということもあり、
日持ちのしない生パスタにすることは諦めて、
常温で長期保存ができる「沖縄そばタイプの生麺」というところに落ち着きました。
実際のところ、本当に小さな離島のため、製麺所もなく、
原料の一部を出荷して沖縄本島で製造する形をとっています。
2016年夏から、生麺も乾麺も試作品を何度も作っていただき、
職場の人や島の人の意見も頂戴して、今の太さや配合になりました。
生麺については最初、麺のみで販売していたところ、皆様の提案や利便性を考慮し
「冷やし中華のようにいただくシークヮーサータレ付」と
「沖縄そばのようにいただくあっさりかつおだし付」の2種類展開となりました。
島は高齢化が進み、もちきびを作る農家さんも減って、収穫高も減少しています。
昨年はもちきびが特に少なく、麺も大量生産とはいきませんが、
今後も粟国島の特産品として継続していけたらと思っています。
それぞれまだ数回ずつの製造ですが、沖縄県内だけでなく関東の新聞にも
ちょこっと掲載していただきました。また、先日も那覇でのイベント時に
テレビのニュースで紹介していただくことができました!
おみやげとは、その土地の知名度を上げてくれる宣伝ツールでもあると思います。
この麺を買った人、もらった人が「ほー、粟国島ね♪」と思ってくれたら幸いです。
私だけでなく、農家さんを始め、いろんな方の思いが詰まっています。
まだまだ通年販売には至りませんが、見かけた際は一度買ってみてくださいね。
ちなみに・・・
より日持ちのする乾麺は贈り物に喜ばれています。
独特の食感が楽しめる生麺は、沖縄県民には「沖縄そば風」、
ナイチャー(沖縄以外の人)には「シークヮーサー味」が人気です。
自分で言うのもアレですが、何回食べても
「やっぱりもちきび麺、好きだわ~!」と思います。
もちきびとは・・・
もちっとした食感と甘みが特長のイネ科の穀物で、白米に比べ、
ミネラルや食物繊維が豊富といわれています。粟国島の自然豊かな環境
で育てられ、塩や黒糖と並ぶ特産品のひとつとなっています。