事の発端は、今年の4月頃。港で偶然出会った粟国中学校のとある先生の一言から始まりました。「地域おこし協力隊の方ですよね？中学生達といっしょに、何かできませんか？」
私が観光振興を担当していることもあり、こども達が粟国島の良さを再発見して欲しいという思いから「観光ボランティアガイド」や「お土産品開発」などを提案しました。
その後、先生と中学生達が考えたのが『中学生ボランティアガイド“アグニーズ”』でした。
中学生ボランティアガイド・アグニーズは、中学1年生を中心に活動を開始しました。総合的な学習の授業や放課後を利用して「どんな事を案内するか」「どうやって楽しんでもらうか」いろいろアイディアを出し合ってくれました。
先生と生徒と私の思いが一致したこともありその後の展開はスムーズで、何よりも「面白そう」「やってみよう」と考えたこども達が、自分たちで考え進んで行動をしてくれたことで、この取り組みは良い方向に進んでいきました。そして先生も私もたくさん考えました。
そんな中5月に、総合的な学習の時間を使って「粟国島の観光について」といった講話の機会をくださりました。今まで学生達に講話するといった経験がなく、しかも中学生全学年・・・何を話そう・・・。
私は観光の専門学校を卒業しその後はずっと旅行会社に勤めていたので、自分の経験を元に、今大変好調な沖縄観光をはじめ粟国島の観光の現状、県外から来た私が見た島の良さや資源、などをお話しさせていただきました。
その講話は給食後の5・6時間目。眠い眠い魔の時間帯にも関わらず熱心に話しを聞いてくれる生徒が1名。先生にその話をしたところ「あの子は、おきなわの観光作文コンクールに応募するんです。」とのこと。
後日その生徒は、観光客と接した自身の体験や中学生ボランティアガイドのことを題材に粟国島の観光振興について意見し、予選突破。そしてなんと7月21日（日）に開催された「第16回おきなわの観光意見発表コンクール」でグランプリを獲得したとのことです！！凄い！本当におめでとうございます！
さてさて、その頃島では中1アグニーズと先生が奮闘中。7月22日（月）に実際にお客様をご案内することが決まったからです。その日沖縄の中学生達は県大会の初日。そんなこともあり、島に残れる女子3名がガイドを担当することになりました。
コースや内容はどこまで進んでいるかな？先生に尋ねると「・・・ニコッ」（あ、これはまずい。）まずはコースを完成させ、そして練習しましょう！！ですが勢いむなしく、フェリー欠航や台風接近の悪天候が続いたことにより予定していた実地研修やリハーサルが行えませんでした。
本番数日前。わずかな晴れ間、ちょうど港にいらっしゃったお客様にお願いし、実際にアグニーズがご案内の練習。また、スポットごとの練習や、夏休みに突入した頃には観光協会事務局長による集落ガイド講習も実施しました。
さてむかえた当日。青空広がる太陽ギラギラな素晴らしき月曜日、3名のお客様がフェリーでやってきました！！先生も私もドキドキです。
わたしがアグニーズに、はいこれ持ってと歓迎の横断幕を渡したところ、恥ずかしがりながらもしっかりとお迎えをしてくれました。まだぎこちない3名は照れながらもお客様と挨拶を交わしました。
そして実際にツアー開始！こども達が考えたツアー内容は島の観光スポットや大切な石碑の紹介、写真撮影、また集落散策の約2時間コースです。
こども達考案の、小道具を使って撮る「ＳＮＳ映えポーズ写真」がその場その場で披露されたり、粟国島にちなんだクイズを行ったり、また6月16日の「むんじゅる節の日」記念行事で披露したむんじゅる節の唄と三線も披露しました！むんじゅる節を指導した島の先輩もかけつけてくださり、こども達がお客様に披露する様子を見て大変喜ばれてました。
そしてツアーの最後にはこども達が手作りしたかわいいシーグラス缶バッチをプレゼントし、無事終了となりました。
お別れのお見送りの際には自分達が編集した動画をプレゼントしたりと、こども達自らお客様達と交流をしていました。
「お客様が見えなくなるまで！」「笑顔で！」「お迎えからお見送りまで！」など、おもてなしも沢山学びましたね。とっても暑い中、初めての観光ガイド本当におつかれさまでした！
そして、当日までこども達をずっと影で支え続けた先生、お疲れ様でした！また、ガイド講習や旅行会社とのやり取りなどをして下さった観光協会さま、ありがとうございました！
今後も中学生ボランティアガイドアグニーズが続けらるよう、生徒・先生共にしっかりとサポートしていきたいと思います。地域のみなさま、こども達への応援宜しくお願いいたします。
最後にインスタ映えポーズを教えてもらい、私も一緒に記念撮影しました。
